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果実の知識

マンゴー
~濃厚な甘さととろけるような舌ざわり~
マンゴーはトロピカルフルーツとしてはとてもポピュラーな果実であり、日本での消費もすっかり定着した感があります。世界的にみてもブドウ、バナナ、オレンジ、りんごに次いで第5位の生産量であり、実は非常にメジャーなフルーツです。また、チェリモア、マンゴスチンとともに世界三大美果の一つにも数えられています。
歴史
インド原産。インドの北部からマレー半島一帯が発祥の地であろうと考えられています。その栽培の歴史は4000年以上の長きにわたっているようです。
アレキサンダー大王がインダス渓谷に侵入した際にこの果実を知り、マケドニアに持ち帰ったという説があります。そして15世紀になり、ポルトガルの探検家バスコ・ダ・ガマがインド航路を発見し、マンゴーはヨーロッパを中心に広く紹介されることになります。さらにポルトガル人によってアフリカ方面、南米方面、西インド諸島へ、また陸路を通ってメキシコ、フロリダ、カリフォルニアへと伝わっていきました。また、東南アジア方面にも広まり、日本にも明治になって栽培方法が伝授されました。
マンゴーと宗教
意外にもマンゴーは、宗教との結びつきが強いフルーツです。
もともと、インドを中心に、人々の生活と密接にかかわってきた存在であり、ある時は強い日差しを防いで木陰をもたらす菩提樹として重用され、その木には神が宿るといった信仰心が人々に芽生えていったようです。また、たくさんの花はつけるが果実として実を結ぶ割合が少ないため、人間が悟りを開くことの難しさにたとえる考え方も登場し、次第に宗教的な象徴として捉えられるようになったようです。
伝説によるとお釈迦様が瞑想にふけって悟りを開いたのは菩提樹下とされており、この菩提樹はマンゴーだという説があります。仏教ではマンゴーは「聖なる樹」と位置付けられています。
また、ヒンズー教とも関係が深く、マンゴーは万物を支配する神「プラジャパテイ」の化身とされています。宗教的儀式にはマンゴーの葉飾りが使われていたようです。
今やトロピカルフルーツの代表選手のようなイメージですが、古くはこのように神聖視されていたとは、なんとも不思議で面白い話ですね。
ペリカンとアップル
世界中に500種類ぐらいあるといわれるマンゴーですが、大きく分けて“ペリカンマンゴー”と“アップルマンゴー”が代表的な存在です。

○ペリカンマンゴー
フィリピン産のマンゴー。熟した時の色が黄色であり、その独特の勾玉形がペリカンのくちばしに似ていることからこの名で呼ばれるようになりました。また、ゴールデンマンゴー、イエローマンゴー、フィリピンマンゴーと呼ばれることもあります。品種はほとんどがカラバオ種(別名マニラ・スーパー)です。
日本に着いた時は果皮がまだ黄緑色の状態ですが、日が経つにつれて追熟して黄色を増し、果肉もやわらかくなります。果肉の色はきれいな黄金色です。
アップルマンゴーに比べて味はやや淡白で繊維質や香りは少なめですが、甘味と酸味のバランスがとれており、くせのない味わいが特徴です。

○アップルマンゴー
メキシコ産のマンゴー。他にもオーストラリア産や、国産のマンゴーもこれに属します。熟すと真っ赤に色付き、形もふっくらと丸みを帯びていてリンゴに似ているのでこの名で呼ばれるようになりました。また、品種はいろいろあり、代表的なものはケント、ヘイデン、トミーアトキンス、アーウィンなどです。
日本に着いた時は果皮がまだ緑色の状態ですが、日が経つにつれて追熟して赤みを増し、果肉もやわらかくなり、香りも強くなってきます。果肉の色は鮮やかなオレンジ色。
フィリピンマンゴーより平均して大きく、味は濃厚で酸味が少ないのが特徴。香りも豊かです。
見分け方
産地・種類にかかわらず、皮がなめらかできれいなものを選びましょう。また、鮮度が低下してくると、表面に黒い斑点が現れる場合があるので、こうしたものは避けましょう。

また、追熟によってペリカンは黄色に、アップルは赤色に色付いてきますから、まだ青いうちは食べずに待って、全体に色が回って香りが強くなったら食べるようにします。
保存方法
熟度によって保存方法が違います。
まだ青目が残っているうちは常温で追熟させること。
完熟した食べごろのものはポリ袋に入れて冷蔵庫で保存してください。
栄養
ビタミンAの含有量は果物ではトップクラス。βカロテンは100gあたり1.6㎎も含んでいます。また、ビタミンC、ビタミンB1、カリウム、葉酸、食物繊維なども豊富なフルーツです。
風邪の予防や肌荒れの防止に効果的で、高血圧などの成人病予防にも有効。また、クエン酸やリンゴ酸が腸を刺激し、食物繊維の働きと相まって、便通がとても良くなります。
食べ方
マンゴーの中心部には縦に平たい種が入っていますが、これがなかなか取りにくい。そこで、マンゴーの切り方・食べ方で以下のような方法があります。

①マンゴーは、事前に冷蔵庫で冷やしておく。
②マンゴーを横に寝かせ、上から三分のところを切ります。

③魚の三枚おろしのように、反対側も同時に切ります。
④三枚のうちの真中以外の二枚は、果肉に碁盤の目のような切り目を入れます。この時、皮まで切らないように注意。

⑤皮のほうから押し上げると、見た目も楽しく食べやすくなります。スプーンですくって食べてください。また、レモン汁を少し加えると味が引き締まります。

⑥種が含まれる真中部分は、うまく種がはずせません。少し行儀が悪いかもしれませんが、種の周りをしゃぶって食べるのがお勧め。

-- かぶれに注意 --
「マンゴーを食べたらかぶれちゃった」という声をたまに聞きます。
マンゴーはウルシ科の植物ですので、果皮に含まれるウルシオールの影響で、人によっては食後1~2日以上経ってからでも口の周りや顔、手などがかゆくなったり、赤く腫れたりすることがあります。植物によって皮膚がかぶれやすい人、じんましんが出やすい人は、注意が必要です。
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