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果実の知識

平核無柿
柿は最も古くから栽培されてきた果実で、秋を代表する味覚です。“KAKI”として世界にも通用します。
甘柿と渋柿に大別されますが、今回紹介する平核無柿は渋柿を代表する品種です。
平核無とは?
平核無と書いて「ひらたねなし」と読みます。
平=形が平たくて四角い箱形で
核=種が
無=ない
柿=柿だ
 という意味です。
種子がないので食べやすく、肉質も柔らかいので消費は好調です。
由来
平核無柿は山形県では庄内柿、新潟県では八珍、佐渡島ではおけさ柿など、産地によって特有の呼称があります。その呼称のいわれがそのままこの柿の由来にもなっています。
新潟県原産。現在でも新津市古田地区に原木が残っています。
明治に入り、元庄内藩の武士だった酒井調良が新潟の商人によってもたらされた柿の苗を育てたところ、種のない実が成ったので栽培を始めました。これが「庄内柿」の発祥と思われます。明治42年の品評会でこの柿は「平核無柿」と命名され、注目を集めることになりました。
昭和に入り、新潟県庁の小山重技がこの柿を「八珍柿」と命名して新潟での増殖を奨励しました。こうして平核無柿は生まれ故郷の新潟で再び日の目を見ることになったのです。「八珍柿」は「種子のない柿は越後の七不思議につぐ珍しいもの」ということで「八つめの珍しさ」=「八珍」とされたものです。
その後、佐渡の農会技術員の杉田氏が山形県鶴岡市の酒井家を訪ね、庄内柿の栽培ノウハウを伝授されて佐渡島での増殖に力を注ぎ、「おけさ柿」として定着させました。
出回り期
10月中旬~11月が最盛期
甘柿と渋柿
柿は甘柿(富有柿が代表)と渋柿(平核無柿が代表)に大別されます。
おおまかに言って暖かい地方では甘柿、寒い地方では渋柿が育ちます。
どうして甘い柿と渋い柿があるのでしょうか?
渋みの正体は“タンニン”という成分です。このタンニンの含有量によって甘柿と渋柿にわかれます。
渋柿の場合、タンニンが舌の上で溶けて渋く感じさせます。後で説明する“脱渋”という処理をすると、アセトアルデヒドという成分の働きによってタンニンが液体に溶けなくなります。この結果、食べても渋みを感じなくなるというわけです。
渋みが甘みに変化して「渋柿」→「甘柿」となるかのように誤解されがちですが、そうではありません。糖質の量はほとんど変わらず、タンニンもそのまま。ただ、渋みを感じなくなるだけなのです。
脱渋(だつじゅう)
渋みを抜くことを“さわす”といったり、難しく“脱渋(だつじゅう)”といったりします。“さわし柿”というのは、要するに「渋柿の渋を抜いて甘くしてある柿ですよ」ということ。
家庭で手軽に渋みを抜くには、焼酎を霧吹きで吹きかけ、2日ほど置いておくとよいでしょう。
生産地で行われる脱渋処理はアルコールを使った方法、炭酸ガスを使った方法の2つが主流です。アルコールによる方法は、エタノールを与えることにより果実内の酵素をアセトアルデヒドに分解するというものです。炭酸ガスによる方法は、柿の内部でアセトアルデヒドを作り出すというものです。
現在はほとんどが炭酸ガスを使った方法で「完全脱渋ができ、アルコール法のようなばらつきがなくなった。」とされています。
刀根早生
平核無の枝変わり品種に刀根早生(とねわせ)という渋柿があります。
奈良県で発見され、平核無より2週間程度早く収穫されます。9月末~10月中旬にかけて、平核無に先駆けて出回る品種です。平均的に平核無よりやや大きめ。渋が少なく脱渋しやすく、早生種の割には日持ちも良好です。
選び方と保存法
形がよく、きずがなく、果皮の色のよいものを選んで下さい。
柿の果皮に付着している果粉が鮮度がよい証拠です。
脱渋柿は、15℃~20℃で保存して6~8日ぐらいが目安です。早めにお召し上がり下さい。
食べ方と栄養価
皮をむきそのまま食べるのが一番です。
もしも少し渋みを感じるときは暖かいところに二日くらい置いておくと自然に渋みが取れます。
●柿サラダ柿を切り、さいの目切りにし、レタス・キャベツ等と共にマヨネーズやフレンチドレッシングであえます。
●柿の天ぷら皮をむいた柿をくし形に切り、小麦粉を卵と水で合わせた衣につけて約180℃の油で揚げます。薬味にはもみじおろしが美味です。

ビタミンCがとても豊富で、1個食べると1日に必要なビタミンCをほぼ満たすことができます。また、ブドウ糖や果糖、ビタミンB1、B2、カロテンなども含まれ、栄養的にはとても充実した果物といえます。
また、高血圧など成人病予防・利尿・二日酔い防止にも効果大。美肌保持にも力を発揮します。
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