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果実の知識

ポンカン
ponkan
~酸味少なく甘味の強い南国の柑橘~
ポンカンの歴史は結構長く、根強い人気を誇っています。
品種に違いはあるものの、果梗部(頭)が突き出ており、反対に果頂部(お尻)がへこんでいるのが外見上の特徴。また、へたの部分に放射状の溝が入っていることが多いようです。
柑橘類の中では酸味が少なく、まろやかな甘味を楽しめるフルーツです。
歴史
インドのスンタラ地方原産。ここから唐の時代の中国に伝わり、18世紀には台湾にまで広まりました。
日本には1896年(明治29年)、台湾総督の樺山資紀大将が苗木を鹿児島に送って移植したのが最初の導入と考えられています。その後も台湾等から優良な品種が導入され、温暖な地で選抜育種が進められながら吉田・森田・太田ポンカン等が育成されました。
名前
ポンカンを漢字表記すると「椪柑」、又は「凸柑」と書きます。ポンカンの“ポン”は原産地インド・スンタラ地方の都市ポーナ(Poona)からとったようです。“カン”は柑橘の“柑”です。
この“ポン”はポンカンの子供にあたる“デコポン”にも引き継がれました。
品種
ポンカンの品種は大別して2つの系統に分けることができます。

高梢(しょう)系・・・果実が角張っており腰高。大玉。温暖な地域で栽培可能。
低梢系・・・果実が扁平な形。小ぶり。味は濃厚。やや気温の低い所でも栽培可能。

早生品種の太田ポンカンは低梢系ですが、おおむね高梢系、低梢系の順に出荷がリレーされます。

●太田ポンカン・・・低梢系
静岡県清水市庵原町原産。太田敏雄氏が「庵原ポンカン」の枝変わりとして発見したものを昭和58年に清水市農業協同組合が品種登録しました。
ポンカンの品種中、最もはやい出回りであり、年内の販売が可能です。
1個平均は150g前後で果皮はなめらかで薄く、種も少ないのが特徴。

●今津ポンカン・・・高梢系
愛媛県北宇和郡吉田町原産。当地の今津伊勢夫園で注目され、昭和48年に愛媛県立果樹試験場が品種登録しました。
1個平均150~200g程度で果皮はやや粗いが糖度が高く、大玉が取れることが特徴。
1月下旬から2月いっぱいを中心に出回ります。

●吉田ポンカン・・・高梢系
鹿児島県垂水市原産。1929年(昭和4年)に鹿児島県垂水市出身の吉田静吾氏が、台湾の優れた品種の穂木を同市の町田静介氏に送り、それを繁殖させた品種です。
1個平均150g~200g程度。皮に締まりがあるがむきやすい品種で、1月をピークに流通します。

●森田ポンカン・・・低梢系
高知県須崎市浦ノ内原産。1955年(昭和30年)頃に高知県須崎市浦ノ内の森田可笑氏が低梢系ポンカンの枝変わり種を発見し、昭和56年に登録しました。
1個平均100~150g程度で、みかんによく似た外観です。
表面は粗めで色が濃く、ポンカンの中では酸味が強いのが特徴。味は非常に濃厚で、貯蔵性に富んだ品種です。
出回り期
ポンカンは収穫後すぐに出荷されるわけではありません。多くは12月に収穫され、その後しばらく貯蔵することによって皮の水分をとばし、果実に弾力性を持たせ、味をマイルドに調えるのです。
この作業を「予措(よそう)」といい、腐敗防止にも役立っています。産地では食べごろになったものから順に出荷していくので、出回り期は12月から3月にかけてになります。ピークは1月・2月です。
見分け方と保存方法
表面がダイダイ色が濃く、持ってみて重量感のあるものを選んでください。
予措(よそう)によって皮の水分は意図的に抜かれていますから、表面が少々しなびた感じになっていても問題はありません。
暖房の効いた部屋に長期間置いておくと味がぼけてきますので、日の当たらない涼しい場所に置いてください。
栄養
ビタミンCは100g中40mgで、みかんよりも若干多く含まれる健康フルーツです。クエン酸は疲労回復にとても効果があります。
また、最近の研究で、アレルギーや動脈硬化を抑制する成分が含まれていることも明らかになってきました。
食べ方
ポンカンを触ってみるとぶかぶかした感じがします。
これは、実と皮の間に少しすきまがあるためで、手で簡単にむくことができます。
じょうのう(中の小袋)はむかずに、そのまま食べるのがお勧め。
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